先生。あなたはバカですか?

「え!?!?マジで!?全問正解!?」

峰山先生は信じられないと言った顔で、岩田先生の持つ回答用紙をひったくる。


そして。それを確認すると直ぐに眉根を寄せて、


「……全問正解だ。」


私達にそう言った。



バスの中には賞賛する声や落胆する声が響き渡る。


だけど、私は手放しでは喜べない。


「よかったね。生田さん」


相変わらず気怠そうな顔を私に向けてそう言う川島君。



この人…何者!?



「やっぱり、生田川島ペアってのはあまりにもフェアじゃないか。学年トップと学年2位のツートップだもんな」


学年2位!?って川島君が!?


川島君は興味なさそうに、隣で大あくびをしている。


「川島は数学だけ見りゃ天才だからな」


岩田先生がそう言うと、


「授業中に起きてる姿は見ないけどね」


峰山先生は川島君に恨めしそうな目を向ける。



それでもあんなに難しい問題をスラスラと説いてしまうんだ…。


何だか少し悔しい。