先生。あなたはバカですか?


–––『◯◯県内の公立高校の男性教諭が、女子生徒に淫らな行為を強要した疑いで–––』



「……。」

「……。」



–––『その男性教諭は、以前から女子生徒に執拗に付き纏うといった行為をし、交際を迫っていたとみられている。警察は男性教諭から詳しい事情を聞くとして––––』



「…先生の成れの果てですか?」


「物騒な事言うんじゃねぇ。」



先生は、ラジオから流れてくるニュースに怪訝な顔を向けると、運転をしながら器用にチャンネルを変えた。


今度は、やたらとしっとりとした音楽が流れ出す。



…やっている事は、変わらないと思うのだけど…。



そう心の中で思いながら、彼を横目で睨む。



乗らないと言うのを強引に乗せるとか、最早犯罪だと思う。


誘拐よ。


拉致よ。


110番してやろうかしら。


何でこの人はこんなに横暴なの。



「大体、そんな変態のクズと一緒にすんな」


「…どこら辺が一緒じゃないんですか?」


わざとらしくそんな事を聞く。


彼は、チラッと私を横目で見ると、すぐにまた前方に目を移した。


やっぱり、さっきから少し機嫌が悪い。




「想いが。」




……想い?


私への想いって事?



「はっ」



乾いた笑いが口を突いて出てくる。



何よそれ。