先生。あなたはバカですか?



「送ってもらわなくて結構です!!!!

それだけ言いに来ただけなのでっ!

では!さようなら!」



今度はバッチリ聞こえたに違いない。


私は、踵を返し来た道を戻る。




はい。もう終了!


この人とはもう関わらない!


時間の無駄!


絶対に関わらない!


ハイ!決定!!!



さっさと予備校に行って予習でもしよう。



そう無理矢理脳みそを切り換えようとしたのに、



「いたっ!!」



ポニーテールに結われた私の黒い髪が結構な勢いで後ろに引かれ、思わず悲鳴をあげてしまう。


もちろん犯人は、この黒い表情で私を見下ろしている俺様不良教師だ。


「いちいち手のかかる奴だな」


「はぁっ!?ちょっ…いたっ…」


「手綱でも付けなきゃダメかね?それとも鞭でも打っておくか?」



な…にを言ってるの?


この……暴力教師!!!




先生は、さらに強く髪を引く。


そりゃあもう、無表情で。



…何をそんなに怒っているのよ!





「ちょっ…わっ…分かったから!!!分かったから離して!!!」









景色が流れて行く。


外はすっかり藍色が濃くなってきていた。