「送ってもらわなくて結構です!!!!
それだけ言いに来ただけなのでっ!
では!さようなら!」
今度はバッチリ聞こえたに違いない。
私は、踵を返し来た道を戻る。
はい。もう終了!
この人とはもう関わらない!
時間の無駄!
絶対に関わらない!
ハイ!決定!!!
さっさと予備校に行って予習でもしよう。
そう無理矢理脳みそを切り換えようとしたのに、
「いたっ!!」
ポニーテールに結われた私の黒い髪が結構な勢いで後ろに引かれ、思わず悲鳴をあげてしまう。
もちろん犯人は、この黒い表情で私を見下ろしている俺様不良教師だ。
「いちいち手のかかる奴だな」
「はぁっ!?ちょっ…いたっ…」
「手綱でも付けなきゃダメかね?それとも鞭でも打っておくか?」
な…にを言ってるの?
この……暴力教師!!!
先生は、さらに強く髪を引く。
そりゃあもう、無表情で。
…何をそんなに怒っているのよ!
「ちょっ…わっ…分かったから!!!分かったから離して!!!」
*
*
景色が流れて行く。
外はすっかり藍色が濃くなってきていた。



