そんな思いで森田先生を見つめていたのだが、何だか様子がおかしい。
森田先生は目をひんむき下顎を突き出して、まさに“ゴビーン!”といった効果音が聞こえてきそうな顔をした後。
「なぜっっっっ!?!?!?」
と絶叫した。
「ちょっと待て待て待て待て。何で相手が岩田になってんの!?違うからっ!あいつなわけないでしょっ!!」
…………え?
「で、でも!生徒達がそう言って…!駅前のカフェで、2人で楽しそうに結婚情報誌を見ていたって……」
「何それ!ほんっっっと最悪!!それ隣にもう一人いたから!!教頭がいたはずだから!!」
「え?き、教頭先生…?え?」
私の頭は、もはや混乱し過ぎて爆発寸前だ。
教頭先生って…。
あの背が小さくて、髪が天パで、ルックスは…まぁ良くはないけど。
凄く穏やかで優しそうな……。
え?待って?
という事は……?
「森田先生の結婚相手って……」
森田先生は、諦めたように溜息を吐いて。
「教頭だよ」
と驚くべき事実を口にした。
え。
「えーーーーーーっっ!?!?!?」
「生田さん。その驚き具合は失敬だぞ」
え?だってだってだって!!
じゃ、じゃあ、岩田先生は!?
え!?
今までのは全部勘違いってこと!?!?



