私を支えてくれた人達のためにも、私は幸せにならなきゃいけない義務がある。
「ところで、花織ちゃんは変わりない?」
『うん!もう毎日育児と仕事に追われててんてこ舞いだよー!』
香織ちゃんはあの後、高校を卒業してすぐ、峰山先生と籍を入れた。
あの物凄く慎重な峰山先生が、そんな大胆な事をするなんて、当時は腰が抜けるほど驚いた覚えがある。
それから花織ちゃんは主婦兼大学生をしていたのだけど、大学3年の春に妊娠が発覚。
大学を中退し、働きながら育児を両立している。
『人生って何があるか分からないね。私もだけど、翠ちゃんの話を聞いてつくづくそう思ったよ』
「まさかあの峰山先生が、無計画に子供を作ってしまうなんてね」
『うぅっ!もうそれは言わない約束〜!!』
そう言って慌て出す花織ちゃんの声は、電話越しでも幸せだという事が伝わって来て、気付けば私の顔も綻んでいた。
幸せって人に伝染するんだね。
私が幸せになれば、きっと花織ちゃんも喜んでくれる。
幸せになりたい。
だけど、幸せって一体なんなんだろう?
***
「––––え?今…何て?」
教育実習も残すところ後3日。



