先生。あなたはバカですか?

「生田さんて、どういう時に笑うの?」


「さぁ…自分では意識した事ないのでサッパリ…」


「俺でも生田さんがまともに笑う所って、昔からあんま見た事ないっすよ」


「え!?何それ!生田さんの笑顔めっちゃレアなんじゃん!何かすっごく気になってきた!」


つい話し込んでいると、「おい」という声で我に返った。


「お前、蕎麦食わねーの?のびるぞ」


「……。食べますけど」


この人…人の悩みとかどうでもいいのかしら。


いや、そういえば、昔からわりとこういう所あったけど…。


“あなたは実習生の悩みより、蕎麦の心配ですか。”


と言ってやりたくなる。


この人をムカッとさせる技術は、記憶のなくなった今でもご顕在のようで。


この男のこういう性格は、もうもはや遺伝子レベルのものなんだろう。


いや、まぁ、そんなこの人を好きになったのは私だけどさ。


なわばヤケクソに蕎麦をすすっていると。


「お前、飯それだけなの?」


岩田先生は箸で私の蕎麦を指しながら首を傾げる。


「はい。実は私、ここの学食ってあんまり来た事がなくて。いつも購買で済ましていたので…。何が美味しいか良く分からないので取り敢えず無難なものを」