先生。あなたはバカですか?

「そ、そうなんです。川島君、昔からやたらと女子にモテていました。た、確か……」


「へぇ〜!やっぱりねぇ〜!いいなぁ!青春だねぇ〜!」


妙にしみじみとした口調でうんうんと頷いている森田先生を見て、私はホッと胸をなでおろした。


今のは、本当は川島君の事を言ったんじゃない。


つい、昔の岩田先生の事を知っているような口振りをしてしまった。


危ない危ない。


気を付けないと……。


出来る限り、私が昔岩田先生と関わりがあったという事実は知られたくない。


先生が、自分の過去をどこまで覚えているかは分からないけど、私を覚えていないというのは明確で、その事に対して変な気を使わせたくないんだ。


それともう一つ。


私自身、先生がどこまで記憶を無くしているかという事を目の当たりにするのが怖くもあった。



「おーい!そこの席空いてるー?」


「!?」


私がぼうっとそんな事を考えている間に、森田先生が大きく手を振りながら二人の席へと近付いて行く。


ちょ…!まさか、一緒に昼食を取る気!?


無理無理無理無理!!


ただでさえこんなキラキラしている空間になんて入って行けないのに、岩田先生と昼食だなんて!!


ほらほらほらほら、女子達にもやたら睨まれてますから!!