先生。あなたはバカですか?

だけど、先生の教師としての記憶はこうしてちゃんと残っていてくれた。


そしてまた、こうして出逢う事が出来た。


当時先生は、教師になりたくてなったわけではないと言っていたけど、私は先生が教師になってくれて良かったって思ってる。


それじゃなかったら、私は先生と出逢えなかったでしょ?


こうして、先生が教師を続けてくれていて良かった。


何だか、あの頃の先生を見付けたような気がして凄く嬉しい。




「お。噂をすればだね」


券売機で食券を買い、目当てのきつね蕎麦を受け取って席を探していれば、隣でカツ丼を受け取った森田先生が私に見てみろと顎で促した。


その方向に目をやれば、異様な光景に思わず眉をしかめる。


学食の窓側の5人掛けテーブルで、川島君と岩田先生が昼食をとっていた。


そこから半径約3メートル以内の席は全て女子生徒達で埋め尽くされている。


しかも、明らかに視線は二人の席の方向へ。


彼らに向かうその目がハートにかたどられて見えるのは、私の錯覚ではないだろう。


「こうなるだろうとは思ってたけど、やっぱあの二人のコンビ、相当目立つわね。無駄にキラキラしてるわ…」


「…本当ですね…。昔から無駄にオーラ放ちすぎなんですよあの人は」


しらけた顔でそう言うと。


「へぇ。川島君て、やっぱり高校時代もイケてたんだ?」


と、森田先生の好奇心旺盛な目が私に向かってきて、しまったと口をつぐむ。