先生。あなたはバカですか?


私の教育担当が森田先生で良かったと心から思えるほどだ。


この3日間で、森田先生は教師としても普段の人柄も、とても尊敬出来る人だという事が分かった。


非の打ち所がないのは、森田先生の方だと思う。


「生田さんて、塾かなんかで教えてた経験ある?」


「いえ。特には」


「そうなんだぁ。なんだか教え慣れてるなーって思ってね。それに、生田さんの教え方誰かに似てるんだよな〜」


「?」


森田先生は「誰だったかなぁ…」と考える素振りを見せて、すぐに「あ!そうだ!」と手の平を打った。


「岩田の教え方に似てるんだ!!」


森田先生の口から出てきたその名前にドキッとする。


「岩田先生…ですか?」


「うん!あいつああ見えて、人に教えさせたら上に出るものはいないのよ!」


「そうなんですね……」


自慢気に岩田先生の事を語る森田先生の姿に、自然と頬が上がった。



私の教え方が岩田先生に似てるのは当然だ。


3年前、私は彼に憧れて教師になろうと決めたんだから。


彼の教え方が上手いのは、当時の私が身をもって実感している。



岩田先生と再開してもう一つ嬉しかった事は、彼に教師としての記憶が残っていた事。


あの時先生は、どれだけの記憶が失われるかは明確ではないような事を言っていたから、全ての記憶がなくなってしまう可能性もあったんだと思う。