“先生。忘れないで。”


“私をずっと、覚えてて。”





先生に伝えたかった言葉。


本当はずっと心の中で叫んでいた言葉。





「…うん。きっと先生は、分かってたよ」





消える事のない想いと、沢山の痛みを連れて、



先生がくれた世界で生きていく。



先生のいない世界で生きていく。



『お前はもう、大丈夫だよ』



きつく閉じた瞼の裏で、そう言って先生が微笑んでいた。