先生。あなたはバカですか?


そんな心を持った彼女が、いつか俺みたいに絶望を味わう時が来る?



そんなの……ダメだろ。


あいつが絶望するところなんて見たくない。


あの澄んだ瞳に黒い影がかかるところなんて、見たくない。


手遅れになんてなってほしくない。



俺が……。


そんな事させるかよ。



『生田スイッ!!』



咄嗟に彼女を呼び止めていた。


『?』


彼女は振り返り、困惑した表情で俺を見る。



『気を付けて帰れよ』


『……?はい』



清々しかった。


告知をされた昨日の今日だってのに、俺から迷いや不安はもう消えていて。


苦しかった胸のつかえがとれて、まるで雨が降った後の世界みたいに空気が澄んでいるように感じた。



俺はその時、決めたんだ。



死ぬまでの時間を、お前に全て捧げるって。


死ぬまでに何かを残すなら、お前のために何かを残したいって。




『……俺が絶対に、お前の世界をぶっ壊してやる…』







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「お前の世界をぶっ壊すと決めたからには、お前に常識外の事をさせる必要があった。だから、俺はあの日、屋上でお前に告白したんだ」


そう。最初はただそれだけだったんだ。