先生。あなたはバカですか?

美化委員担当の山田に、今朝起きた花壇での事故について正直に話したら、『先生は生徒を庇う余裕がおありのようなので、荒れた花壇の整備は先生がお願いしますね。私にはそんな時間の余裕も心の余裕もありませんので』とか、めちゃくちゃ理不尽な理由で花壇の整備を押し付けられた。


山田はとことんひがみ体質のネチネチした性格で、前々から俺が生徒と隔たりなく仲良くしているのが気に食わないらしい。


女子生徒に告白されるのも、俺の思わせぶりな態度が原因だのなんだの陰でネチネチ言ってるとか。


恐らく、俺が生徒に手を出してるだとか、そういうめんどくせー噂を流してるのもあのクソハゲメガネ山田だろう。


まー別にいいんだけど。


俺はいつ教師をクビになったっていいし。


どうせもうすぐ嫌でもこの学校からいなくなるんだから。





バケツの中のスコップが、俺が歩く度にガチャガチャと音を立てる。


まだ梅雨真っ只中の空は重く灰色がかっていて、じめじめとした湿度と相まって余計に俺の体を重たくした。


あーだりぃ。


さっさと終わらせて早く帰ろ。


これでも俺、病人なんだけど。



そんな事を思いながら花壇の入り口にさしかかった時だ。



花壇の所に人影が見えて、俺は足を止めた。