「はいはい。本気で勉強する気があるならなー」
先生は、二人の頭をポンポンと撫でてあしらう。
それも中々の営業スマイルで。
だけど、女子達はその営業スマイルを脈アリと勘違いしたのか、浮かれたように頬を染める。
「え〜?あるよぉ〜?“あっち”の勉強ならいくらでも♡」
女生徒は、先生に自分の胸元を開けて見せる。
「え。まじ?」
–––––––バッキィ!!
「!!何の音!?」
何の音かってぇぇ〜????
それは私のシャーペンが、真っ二つに折れた音ですけど〜????
私がギロリと睨むと、彼女達の小さな悲鳴が聞こえてきた。
不良教師はそんな彼女達の後ろで、キョトンと私を見ている。
「ここは図書室です。静かに出来ないなら出て行って下さい」
今、私の眉間には何本皺が入っているのだろう?
女子達は、まるでこちらが悪者のように「こわーいっ」と言いながら小走りで図書室を出て行った。
怖くて悪かったわねっ!
誰のせいよっ!
私は、フンッと鼻を鳴らしながら勉強の続きに戻ろうとすると、
––––––––カタン
すぐ隣で椅子を引く音がして、それに目を向ける。



