先生。あなたはバカですか?


『はーぁぁぁぁぁ…』


俺が『何かあったのか?』って声を掛けるまで永遠に続くこの溜息は、毎度の事ながらかなり鬱陶しい。


『……何かあったのかよ?』


いつまでも続けられちゃたまらないと仕方なく声をかければ、待ってましたとばかりに俺を振り返り、『それがさぁ!聞いてくれる?』と話し始める拓人。


俺もこいつみたいな性格だったら、もっと上手く人生生きてこれたんだろうな。


『実はさ、うちのクラスにK大に志望校変えた生徒がいてな』


『へぇK大。今年は特進でもK大志望いなかったんだろ?よかったじゃねーか』


『ん〜そうなんだけどさぁ〜…』


持っていた授業の道具をデスクの上に放ると、俺は準備室のソファーにドカッと腰掛けた。


すると、拓人はすかさず俺の向かいのソファーに座る。


そして、『見てよこれ』と言って何やら俺に紙切れを見せてきた。


よく見れば、先日3年全員に配った進路希望調査表だ。


そこには、第一希望K大と書かれていて、その他の第二希望、第三希望の欄は空欄になっていた。


滑り止めも受けるつもりないってか。


落ちたら浪人するつもりなのか…それとも、落ちない自信があるのか……。


そして、拓人が示す志望動機の欄には…。