状況を理解した俺は小さくため息を吐いて『おい』とそいつらに声を掛けた。
『ひっ…!!あーなんだよガンちゃんか』
『何だじゃねーよ。お前ら山田先生に散々ここでボール使うなって言われてただろ。何やってんだ。アホか』
『そうなんだけどさ〜!ここかなり穴場なんだぜ〜?グラウンドじゃ先輩の目が気になって出来ねーし』
『あ"?花壇荒らしといてどの口が言ってんだよ』
『う"っ…!す、すみません…した』
『ったくよ。山田先生には俺から言っといてやるから、お前らはさっさとグランド戻れ』
『うぁぁ〜!ガンちゃん神!!サンキュー!!』
そう言ってバタバタとグランドに駆けていく生徒達。
俺は、溜息を吐きながらそんなやつらを見送ると、花壇の上に横たわっている花へと目を落とした。
俺もきっとこの花のように、生きていた事なんて簡単に忘れ去られていくんだろうな–––。
*
『はぁ〜』
その日の昼休み。
4限目の授業を終え、数学科準備室に戻ってきた俺は、自分のデスクで頭をガシガシと掻きながら大きな溜息をつく拓人に遭遇する。
『はぁぁぁぁ〜』
『…ちっ』
絶対その溜息、わざと俺に聞こえるようにやってんだろ。
拓人は大学時代から、何か相談事があるといつも気付いてほしそうに、わざとらしい溜息をつく。



