「……絶対に間に合わせてみせます」
『あぁ。気を付けてな。行ってこい』
力強い峰山先生の声と、そのすぐ側で『翠ちゃん!!頑張れーっ!!』と叫んでいる花織ちゃんの声。
2人共ありがとう。
沢山の勇気をありがとう。
2人がいなかったらきっと、今の私はいないよ。
私は通話を切ると、急いで改札口へと向かった。
*
「ハァッ!ハァッ!ハァッ!」
もう、どれくらい走っただろう?
焼けるように熱い喉。
向かい風が冷たく、私の肌を刺す。
酸欠状態で朦朧とする意識の中、とうとう空から大粒の雨まで降り出してきた。
果たして間に合うのだろうか?
手元の時計は間もなく16時半になろうとしていた。
––––––ガッ!
「…キャッ!」
––––––ズザザーッ!!
走っていた勢いのままつまずき、激しく地面へと擦り付けられた体は激痛が走る。
足を止めてしまったせいか、急激に疲労感に襲われて、起き上がることもままならない。
吹き飛ばされたスクールカバンからは中身が飛び出し散らばっていて。
視界の先には血の滲む手のひら。
それと––––––16時半を示している時計の針。
間に…合わなかった……。
じわりと涙が滲んでくる。



