先生。あなたはバカですか？

峰山先生は、私の頭をクシャリと撫でると。



『翔太が生田に教えたはずだよ？
もう他の誰かじゃない。生田自身が選択して決めるんだ』



力強い口調でそう言った。





–––––––

–––––––––––



私自身が選択をして決めるということは、例え間違った選択をして、結果、恐ろしいほどの後悔が待っていたとしても、誰のせいにも出来ないという事だ。


私はそんな後悔を、自分自身だけで受け止められるほど強くはない。


今までの自分が、いかに自分の人生の選択を人任せにしてきたか…責任逃れをしてきか…。


峰山先生の言葉で深く思い知らされた。





「翠ちゃんっ！今日を逃したら、一生岩田先生に会えなくなっちゃうかもしれないんだよ！？」


あの日から、あっという間に3日がたってしまった。


私はというと、未だに何も考えられないような状態が続いている。


岩田先生は、私の心ごと持ってどこかへ行ってしまったんじゃないだろうか。


そんな事を思うほど、私の心は空っぽだった。


花織ちゃんの問いかけの意味を考えるのも煩わしくて。


「それを選んだのは先生だから」


全部を先生のせいにして逃げている。