先生。あなたはバカですか?

「あ。俺達そろそろ帰らなきゃな」


そう言って、峰山先生が時計を見た時には既に22時を回っていた。


「え!?2人とも帰るんですか!?一緒に泊まるんじゃ…」


「私達は泊まらないよー!私の家、外泊は許してくれないんだ」


「で、でも、峰山先生は…」


「俺は花織送ってかなきゃだし。あと、明日部活関係で出勤なんだよね」


そ、そんな……。


私はてっきり、2人も一緒に泊まるんだとばかり思っていたのに……。


という事は…––––


恐る恐る岩田先生に視線を向ければ、バチッと視線が合ってしまって。


その瞬間、先生が片方の口角を上げて不敵な笑みをこぼした。


ドクッと跳ねる心臓。


慌てて彼から目を逸らす。


––––この不良教師と一晩2人きりとか……。


どうなるの私!?!?!?










ドッドッドと規則正しいリズムを刻むのは、私の心臓。


今にも口から出てきそうなそれを押し込めるように、ギュッと口を結んでいる。


ソファーの上で正座をして、汗ばんだ手を握りしめ、座禅の如く精神統一しているのは、邪念を払うため。


落ち着け。


落ち着くんだ私。