先生。あなたはバカですか?

いつもの殺風景な先生の家のリビングが、今日は何だかいつもより温かみを帯びている。


「おい、お前ら。人んちに何てことしてくれてんだよ」


「岩田先生が準備しとけって言ったんじゃないですかー!」


「確かに言ったが、ここまでやれとは言ってねーよ」


「まぁまぁ!んなケチ臭いこと言うなよ翔太!せっかくのクリスマス、ぬかりなくやろうぜ!!」


「お前らだけで盛り上がり過ぎなんだよ!俺らはもっとしっとりと普通のクリスマスをやるつもりで…」


「そう?生田は結構喜んでくれてるみたいだけど?」


先生達が私に視線を向けるけど、そんなの少しも目に入ってこないほど、私はその光景を食い入るように見つめていた。


だって、初めてなんだ。


こんな、本格的なクリスマス。


こんなに大きくて綺麗なクリスマスツリーを見るのも。


賑やかな飾り付けも。


美味しそうなご馳走も。



こんなに賑やかでわくわくするクリスマス、初めてなんだ。


「……翠?」


黙って立ち尽くす私に、先生は恐る恐る私の顔を覗き込んでくる。


「……凄いです」


「え?」


「先生どうしよう。何だか、凄く楽しいです」


感動で震える声でそう言葉を零せば、先生は一度驚いたように目を見開いて。