先生。あなたはバカですか?

ちょっとこの状況をまず説明しなさいよ!


この2人がいるだなんて、何の説明もなかったじゃないの!


そういう事を何で先に言わないのよ!


てっきり2人きりで過ごすのだと思って、変な心配をしてしまったじゃないの!!


「ふふ。翠ちゃんごめんね。お邪魔しちゃったかな?」


私と玄関に残っていた花織ちゃんが、いたずらっ子のような眼差しを向けて、私に両手を合わす。


「2人きりの方が、よかったかなぁ〜??」


「そんなわけないでしょ」と言って睨めば、花織ちゃんはふふふと楽しそうに笑う。


「岩田先生がね、呼んでくれたんだよ」


「…先生が?」


「うん。その方が翠ちゃんも喜ぶからって」


「……」


そんな事を聞いてしまったら、先生に対する怒りなんて簡単に鎮まってしまうもので……。


代わりに、私の知らないところで先生が私の気持ちを考えていてくれたという事実がほんの少し嬉しくて。


綻びそうになる顔を気にしていない素振りで必死に誤魔化した。


まぁ、そんな事をしたところで、花織ちゃんの目は誤魔化せないみたいだけど。


「翠ちゃん可愛い!」と言って笑う花織ちゃんにほんのり熱を持つ頬を隠すようにそっぽを向く。