先生。あなたはバカですか?

「ほら。観念しろ。親の許可も出たことだし、さっさと準備しろよな」


そんな想いに気付けたのが、この俺様不良教師のお陰だっていうのは少しばかりしゃくだけど––––。


「先生。ちょっと」


近くへ。というように手招きをする私に先生は。


「あ?何だよ?」


眉を寄せながらも、素直に私へと近寄る。



–––––グイッ!


–––ちゅ。



時間が止まってしまったみたいに目を見開いて固まる先生。


先生の頬からゆっくりと唇を離して、私はイタズラにニヤリと笑ってみせた。


「もし、今夜何かしたら、警察に突き出しますからね」


まだ、放心状態の先生にそれだけ言うと、荷物を纏めに部屋へと続く階段を上がる。


玄関から「何かしてんのはお前だろーが!っつか、何だったんだよ!今の不意打ちのキスは!おい!」そう呼び止める声が聞こえるけど知らぬふり。



たまにはお返ししたくなったんですよ。


いつもされてばかりじゃ、割に合わないでしょ?


「おいコラっ!翠!!」


取り乱してる先生が面白くて、私は部屋までの間、密かに笑いが止まらなかった。