先生。あなたはバカですか?

「毎年、クリスマスにお前を家に一人にするのは結構しんどいって。お前のかーちゃんが言ってたんだよ」


「え?」


「娘に寂しい想いをさせたい親なんて、いないって事だよな」


「……っ」


“クリスマスに一人で家にいられる方がずっと心配よ”


さっきお母さんが言っていたのは、そういう事だったんだ。


お父さんがいなくなってから、お母さんとクリスマスを過ごした試しなんてない。


お母さんは毎年毎年、私を置いてさっさと仕事へ行ってしまったし。


てっきり、私の事なんてどうでもいいのだと思っていた。


だけど…毎年クリスマスが来る度に、お母さんはそんな事を思ってくれていたの?


何で、今更そんな事を知る事になるんだろう。


よく考えれば、当たり前の事なのに。


“子を想わない親はいない”って。


前にテレビで誰かが言っていたけれど、本当にその通りだ。


今までお母さんと向き合おうとしなかったから、見えていなかっただけ。


そんなお母さんの想いを知っていれば、私達の関係は何か変わっていたかもしれないのに……。


沢山沢山遠回りをして、やっと知る事の出来たお母さんの想い。


その想いは、今までの満たされなかった分も私の心を満たしていくようで……。


“もう、大丈夫。”


今なら強がりじゃなく、そう思える気がする。