先生。あなたはバカですか?

何を考えているんだこの男は…っ!!


その“今夜”が問題なんだろうが!!


「そ、そもそも!さすがにお母さんの許可なくそんなの無理ですから!」


お帰りください。と言うように玄関のドアを開け、出るよう促す……が。



「それなら安心しろ。もう、許可は取ってある」


…………は?


その言葉に、頭をトンカチで殴られたような衝撃を受けた私は頬を引きつらせ、何度も瞬きを繰り返した。


「ま、待って…。それはつまり…お母さんが泊まりを許可したって事ですか…?」


「だから、そう言ってんだろ」


いや、いやいやいやいや!


「そんなわけないじゃないですか!そんな見え透いた嘘まで付いて!さすがに怒りますよ!?」


「嘘じゃねーよ。嘘だと思うなら確認取ればいいだろ?お前のかーちゃんに」


「し、仕事中に電話なんて……」


そう言いかけた時、ショートパンツのポケットの中で震えたスマホを“こんな時に一体誰からだ?”と慌て取り出す。


ディスプレイには“お母さん”という表示。


なんてタイムリーなっ…!!


「出ろよ」と顎で促してくる先生に、心の中でチッと舌打ちをして通話ボタンをスライドさせた。


「はい」


『翠?あなたまだ家にいるの?岩田先生は迎えに来た?』