先生。あなたはバカですか?


胸の中で溜めてはおけず、限界を超えたものが、言葉となって溢れ出てきてしまうものなんだ。


私ももう、限界かもしれない。


そういえば私はまだ、きちんと先生に伝えた事がなかったな……。


「先生……」


「ん?」


今から自分がしようとしている行為に、考えただけで顔がカァッと熱くなる。


握った拳にはじわりと汗がにじんだ。


「……私も……あの……その……」



“先生の事が好きです。”



その言葉を伝えたくて、意を決して大きく息を吸い込んだその時……–––。



「翠?」


聞き覚えのある、だけどここには居るはずのないその人の声がして、慌てて声のした方を振り返った。


「お母……さん」


予感は的中。


視線の先にあったのは、眉根を寄せて私を凝視する、お母さんの姿だった。


「あなたこんな時間にこんな所で何をしているの?」


「お…お母さんこそ!今日は、夜勤のはずじゃ……」


「私は今日、たまたま早く上がれただけ。それより答えなさい。あなたこんな時間に勉強もせず、何をやってたのか聞いてるの!」


「……っ」


まずい。


これはかなりまずい。


どうしよう。