先生。あなたはバカですか?


この時、先生は返事をしなかった。


だけど私は、それがなぜかなんて考えもしなかったんだ。


その事を深く後悔する事になるなんて、この時の私は知る由もなかった。











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「着いたぞ」


「ありがとうございました」


先生はいつも通り、家のすぐ側の公園まで車で送ってくれた。


「おやすみのちゅーは?」


「しません」


さっきまでの様子が嘘のように、いたって通常運転のこの男をジロリと睨みつける。


様子が違うように見えたのも、何かの勘違いだったのかも。


だってほら。


今はこんなにカラカラと楽しそうに笑っている。


「勉強もほどほどにな」


「分かってます」


「何かあったら連絡しろよ」


「はい。先生も運転気を付けて」


お互いの間に流れる、この名残惜しい雰囲気ももう何度目だろう?


金曜日なんかに約束をするんじゃなかったと、いつも後悔をする。


幸せな時間の後に、会えない休日があるというのは名残惜しさを倍増させるから。


……やだな。


私はいつからこんな、どこぞの少女漫画の主人公のような乙女な思考になってしまったんだろう?