先生。あなたはバカですか?


仰向けになった先生は、私の頬にスッと手を伸ばすと、私の気持ちをなだめるように親指で私の頬をさすった。


こんな時まで先生は、自分の事より私の事を気にかけてくれるんだ。


それなのに私は……。


「……先生。ごめんなさい」


先生の頬に一粒涙が落ちる。


「…何で泣いてんだよ……」


先生の手が、今度は私の頭をなでる。


「……この間、先生に酷い事を言って……。その後も酷い態度をとってしまって……」


ぽろぽろと落ちてくる涙はもう堪えることなんて出来なくて。


みっともないのは分かってるのに止め方すら分からなくて、私は両手で顔を覆う。


「先生の事を見損なったとか…本当は思っていません。ただ先生が……、いつ教師を辞めたっていいなんて言うから……。なんだか先生が遠くに行っちゃうみたいで……寂しくなって……」


私の頭をなでる先生の手が、ピタッと止まる。


少し間をおいた後、「はぁぁぁ~~」という大きなため息が聞こえてきて、私は顔を覆っていた手をどけた。