先生。あなたはバカですか?


鍋の前で、20分ほど腕組をして考えたが、その謎は解けるはずもなく……。


料理って勉強なんかよりずっと難しい。


だけど意外な事に、先生がどんな顔をして食べてくれるのかだとか、どんな言葉を言われるのかだとか、想像しながら作る料理は凄く楽しかった。


機会があれば、また作ってみたいな……なんて思ったり。


教育学部に行きたいという想いもそうだけど、自分がこんな風に勉強以外の事に興味を持つ日が来るなんて……。


今の私を一年前の私が見たらどんな顔をするだろう?


そう思うと少しおかしくなってくる。




––––––ガチャガチャ…バタン。


玄関を開閉する音が聞こえて来て、私は待ってましたと言わんばかりに勢いよく立ち上がる。


帰ってきた!!!!


急いで玄関に駆けて行くと、ドアの前に会いたかったその人の姿。


……だけど、何だか様子がおかしい。


先生は、額を押さえ、首をもたげたままその場から動かない。


「あの……先生?」


恐る恐る先生に近付いて行くと……。



––––––ドサッ!


「先生!?」


体がふらっと傾いたかと思うと、先生はそのまま玄関で倒れ込んでしまった。