先生。あなたはバカですか?


教室のドアを開ければ、壁に沿って沢山の棚が並べられていた。


その中には学校の名前の頭文字であいうえお順に並べられた資料がずらりと並べられている。


それとは他に学部ごとに分けられた棚があって、私はその棚の方へと足を進めた。


棚に付けられた学部名が明記された札を、棚の段に沿って左から右へと指をさしながら確認していく。


その段になければ次の段へ。


その次の段になければ、またその次の段へ。


「……あった。あれだ」


私が指を止めたのは、“教育学部”と明記された札の場所。


学部ごとに分けられた棚の左から2番目の一番上の段にあった。


背伸びをして手を伸ばすが、もう少しのところで届かない。


辺りを見回しても台のようなものは見当たらないし、もうこれは強行突破だな。


「……あ…と…少し……」


めいっぱい背伸びをした所で指先に触れた資料が、背後から伸びてきた手によってさらわれていく。


慌てて振り向くと……。


「……川島君」


「台使えばいいのに。生田さん意外に横着もの?」


そう言って、今しがた取ろうとしていた資料を差し出したのは、相も変わらず眠たそうな様子の川島君だ。