先生。あなたはバカですか?



何でこんな事を聞いてしまったんだろう?


聞いて直ぐに後悔をした。



先生は一度意味深に微笑むと、私を挟んだ後ろの扉を静かに閉める。


その時、微かに先生の香りが私の鼻腔を掠めた。



香水…だろうか?


でも、嫌な香りではない。


この人のイメージとは少し違った…優しい香り。





「好きだから」




「……っ!」



……



……あれ?



あれ?



これは…何?



初めての感覚。



校内は冷房が効いているというのに、


まるで炎天下の中にいるような、



身体中が火照る…この感じ。



まるで、100mを全力疾走したかのような、



鼓動の速さ。





先生は私の耳元から顔を離すと、私の顔を確認する。


そして、ふっと目を細めて、



「やっと俺の本気が伝わったみたいだな?」



そう言って私にニヤリと不敵な笑みを零した。



「なっ…かっ…からかわないで下さい!」


「からかってなんかないっつの。もう分かってんだろ?んな赤い顔してよ」