先生。あなたはバカですか?

「お前って、食い物に関してだけは顔が緩むのな。普段ポーカーフェイスなくせして」


満腹でお腹をさすっている私を見て、クスクスと笑っている先生。


しまった。


食べ物につられて、つい気を抜いてしまった。


「ごちそうさまでした」


「あ。戻った。何だよ。もうちょい見てたかったのに」


そう甘い言葉を吐いて、空いた食器をまとめてキッチンへと運んでいく先生。


この人、いつもこんなに甘かったかしら?


一人残された私は、赤くなっているであろう頬に手を当てる。


何だか今日の先生は、いくつ心臓があっても足りない。





先生は、食器を片付けると直ぐに私の所へ戻って来て、ソファーに座って参考書に目を通している私の隣に腰を落ち着けた。


ふーと大きく息をつくと、先生はタバコを咥える。


だけど、チラリと私に目を移して、そのまま火をつけようとしない。


「タバコ、吸ってもいいですよ?」


「……いや。いい」


そう言うと、タバコを箱へと戻した。


先生のこういう行動も、大分自分に都合よく捉えるようになってしまった。