「その目は信じてねぇな?」
「信じるも何も…。子供でももっとマシな嘘をつきます」
先生は、一度呆れた顔で私を見ると、はぁ〜と大きな溜息をついて火の点いていないタバコを咥える。
私が、キッと睨みつけると、
「分かってるよ。校内は禁煙なんだろ?咥えただけだよ」
と言って直ぐにタバコをしまった。
「言っとくけど嘘じゃねぇよ」
「は?」
「俺は生徒なんかに手は出さない。
…って、だからその目止めろって!嘘じゃねぇから!
あいにく、生徒とか、んな面倒臭いもんに手出すほど女に困ってないんでね」
…確かにそうかも。
この人なら周りに手頃な女の人が沢山いるはず。
わざわざ女子高生に手を出して、職や面子を失うリスクを背負うのは馬鹿らしいってものだ。
この人みたいにずる賢そうな人が、わざわざそんな事するのも可笑な話よね。
でも…
あータバコ吸いてー、とブツブツ言っている先生に私は鋭い視線を向ける。
「それならなぜ、昨日私に告白なんかしたんですか?」



