「翠ちゃんは、岩田先生の事が大好きなんだね」
「え!?な、なんでそんなっ…」
「だって顔に書いてあるもん。岩田先生の事を考えてる時の翠ちゃん、凄く可愛いよ」
そう言って花織ちゃんにニッコリと微笑まれ、私の顔はすっかり熱を持ってしまった。
耳の付け根まで熱い…。
あの人の事を考えている時の自分が、どんな顔をしているのかなんて自分では分からないけれど、
あの人の事を考え出した途端、心音が高鳴り出して胸が苦しくなるのは、何とも思っていない人に対する反応ではないという事は私でも分かっている。
でも、これが花織ちゃんの言う“大好き”ということになるのか…。
それは、恋なんて一度も経験をした事のない私には到底断定など出来るものではなくて…。
「正直、私にもよく分からないの」
「え?」
「いざ、付き合ってみたはいいものの、自分の気持ちすらまだ曖昧で混乱してる」
花織ちゃんは私に視線を向けながら、私が言葉を紡いでいくのを静かに待っていてくれる。



