先生。あなたはバカですか?



というか…え?


今…えぇ??


どういう状況だったの?



「早いな。入れよ」



目の前の不良教師は、さも何事もなかったかのように胸元のボタンを留め直しながらそう言う。


「今のって…」


「あ?…あぁ。俺が手出したんじゃねぇぞ?付き合えって言うから断った。したら、襲われた」



–––ガタッ!



「何やってんだよ。そこの物壊すなよ?」



いや、何って…。


そりゃ目眩もするでしょう?



この学校の秩序は一体どうなっているんだ。


女生徒が男性教師を襲うとか…。


そんなあなた…日常茶飯事ですけど?みたいな顔して…。


私は、倒れないよう必死で側にある棚にしがみついた。



真面目に生きてきた私の人生が、穢されていく感じ。


昨日からこの人に会うたびに、真面目に生きてきた私の世界にヒビが入る。


––––––気持ち悪い。



そんな私を見兼ねたのか、


「ほら、いいから入れよ」


そう言って私の腕を掴んで中に引き入れようとする先生に、


私は利き足に力を込めて抵抗した。



「入りたく…ありません」


「…あ?」