先生。あなたはバカですか?


そんな気持ちを堪えるために、踞り頭を抱えていれば、それを見た花織ちゃんは手をバタつかせて、


「あの!ごめんね!翠ちゃんから話してくれるまで、峰山先生と見守っていようって決めてたんだけど!!温かい目でね!!」


と必死のフォロー。



温かい目はやめてほしい。



それにしたって、あの男っ…。


一体何を考えているの?


考えている事が分からないのは、今に始まったことではないけれど、今回ばかりは全くもってヤツの言動の意味が理解できない。


私に何の断りもなく、ペラペラペラペラと。


こっちにも、タイミングってものがあるでしょうがっ!


解決はしたものの、特別講習会の時、峰山先生と花織ちゃんのことであれだけ騒いでおいて、


“実は私も禁断の恋、始めました”


なんてっ!


しかも、あれだけ騒いだ次の日にっ!


どの口が言えるっていうんだぁぁぁ!!!



「翠ちゃん」


花織ちゃんに名前を呼ばれ、俯いてた顔をゆっくり上げると、そこには目を細めて微笑んでいる花織ちゃんがいて……。


「翠ちゃん。詳しい話、聞いてもいい?」


そう言って遠慮がちに首を傾げているものだから、私は口を引き結び、一度目を左右に動かすと花織ちゃんに視線を戻して、ゆっくりと頷いた。