先生。あなたはバカですか?



そう問おうとすると、廊下から女子達の黄色い声が聞こえて来て、何事かと目をやれば…


げっ。


つい心の中で下品な声を発してしまうような光景が、目の前に現れた。



「がんちゃん久しぶり!会いたかったよぉっ」


「がんちゃん!夏休み旅行に行ってね!お土産買ってきたよ!ミサとお揃いっ」


「がんちゃーん久々のハグしてー」


群がる女子の中心は、言うまでもなく、夏休み中恋人(仮)を散々放ったらかしにしていたこの男。


「岩田先生、新学期早々モテてんね」


「そうみたいね。」


「生田さん何その顔。何か土偶みたいな顔してるけど」


「…じゃあね。川島君。私先に行くわ」


私はそう川島君に告げると、チヤホヤされている不良教師の横をまるで何も見えていないかのように早足で通り過ぎる。


「あ。生田ス…」


そんな私を不良教師が呼び止めようとしたのは分かった。


だけど…



知ったことかぁっ!!!!



そう心の中で吐き捨てながら彼を無視し、私は教室へと向かった。










「やだ!翠ちゃんどうしたの!?具合でも悪いの!?能面みたいな顔になってるよ!?」