先生。あなたはバカですか?

先生と触れ合っている部分が、もうどっちの熱かなんて分からないほど熱い。


私の心は、その熱に浮かされる。



先生の匂い…。


やっぱり好きだなぁ…。



先生の広い背中にそっと手を回して、



“私も…”



だなんて、そんな言葉がつい口を突いて出そうになるのをぐっと堪えた。


まだ、自分でも不可解なこの気持ち。


まだ、発するほど鮮明ではないこの気持ち。


いつか、この気持ちが何かはっきりと分かったその時は、


ちゃんと自分の言葉で伝えたいから…。





そんな事を思いながら、落ちていく意識をそっと手放した。












***


「うえーい。全員いるかー?忘れ人したらシャレにならないからなー。念の為点呼とるぞー」



峰山先生が気怠そうに点呼を取り出すのは、


無事(?)3日間の数学特別講習会を終え、生徒達の安堵と疲れが充満する帰りのバスの中。


「生田翠〜」


「はい」


「お。生田は何とか復活したみたいだなー!体調は大丈夫か?」


「はい。問題ありません」