先生。あなたはバカですか?




「先…

「生田スイ」



「……っ」



…ずるい。


先生独特のその呼び方で、


そんなに真っ直ぐな瞳で見詰めながら名前を呼ばれたりしたら、まるで封じ込められてしまったかのように、声が出なくなる。



ずるい。


そうやって先生はいつも、私を上手に支配するんだ。



「俺はお前に、何度も言ってるぞ。お前とどうなりたいのか。まだ俺に言わせるつもりか?」


「…っ違…「言えよ。」


「…え?」




「今度はお前が言えよ。

––––––俺と、どうなりたいのか」



「……っ!!」



本当…この人って容赦ない。


私、これでも病人なのに。


熱があって、ぼうっとして、


全く頭が回らないのに。



熱のせいか、意地とかプライドとか、そんなのどうでもよくなって、いつもがどんな自分だったかすら分からなくなる。


口から出てくるのは、今目の前にいる彼に向けた真っ直ぐな気持ち…。


「責任…取ってください…」


「は?」


「私の世界を…壊した責任」


「…そんな言い方じゃ分からねぇな」


噓だ。


本当は分かっているくせに。



私が戸惑った様子を見せても、先生は私から目を逸らそうとはしない。



あぁ…もうっ…




「…側に…居てください…」



意を決してそう言ったのに。