先生。あなたはバカですか?

「…別に。私が花織ちゃんと居たいからそうしただけなので。先生にお礼を言われる筋合いはありません」


「お…おう!そうか!なんか生田急に俺に当たり厳しくなったな!」



「そりゃそうです。生徒に手を出すとか、教師の風上にも置けません」



私は、目の前の無駄に爽やかな顔をキッと睨みつける。




「もし花織ちゃんを傷付けたら、許しませんから」




そんな私に峰山先生は、一瞬驚くも、たじろぐ事なく、


いつもとの教師の顔とは違う、1人の男の人の顔で、



「任せて」



そう言って、余裕たっぷりの笑みを浮かべた。










***



夢を見ていた。



お母さんが、去って行くお父さんの背中を見詰めている。


その肩は、小刻みに震えていて、


痛いんじゃないかと心配になる程、手を強く握りしめている。


“お母さん?”


そう呼べば、お母さんの肩が一瞬上がり、ゆっくりと私を振り返った。


その顔は、悲しそうで、苦しそうで…


今にも泣き出しそうだ。