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「38度5分か。こりゃ今日は1日安静だな」
「うんうん!その方がいい!」
数学特別講習会3日目の朝。
私は、激しい頭痛と目眩でベッドから出られずにいた。
そんな様子に気付いた花織ちゃんが、呼びに行ったのは言うまでもなく、峰山先生だ。
「…大丈夫です。講習会には参加します」
そう言って起き上がってはみたものの、石のように重たい身体にそれだけで息が上がってしまう。
「ダメだよ!!!そんな身体で参加出来るわけないよ!!!」
「そうだよ生田。今日は講習会への参加は許可出来ません 」
峰山先生はいつになく冷静に先生口調で私を諭す。
「でっ…でもっ…」
「受験生なのは生田だけじゃないんだよ?もし、みんなに移したりしたらどうする?今が大事な時なのは、生田が一番よく分かってるはずだよね?」
峰山先生の言葉に私はぐっと、言葉に詰まった。
確かに私が逆の立場なら、この大事な時にうつされたりしたらたまったものじゃない。と思ってしまうかもしれない。
受験を控えた私達には、寝込んでいる間も惜しいのだ。
私は、大きな溜息をつく。
「…分かりました。今日は1日ここで過ごします」



