先生。あなたはバカですか?


***


「38度5分か。こりゃ今日は1日安静だな」


「うんうん!その方がいい!」




数学特別講習会3日目の朝。


私は、激しい頭痛と目眩でベッドから出られずにいた。


そんな様子に気付いた花織ちゃんが、呼びに行ったのは言うまでもなく、峰山先生だ。



「…大丈夫です。講習会には参加します」


そう言って起き上がってはみたものの、石のように重たい身体にそれだけで息が上がってしまう。


「ダメだよ!!!そんな身体で参加出来るわけないよ!!!」


「そうだよ生田。今日は講習会への参加は許可出来ません 」


峰山先生はいつになく冷静に先生口調で私を諭す。


「でっ…でもっ…」


「受験生なのは生田だけじゃないんだよ?もし、みんなに移したりしたらどうする?今が大事な時なのは、生田が一番よく分かってるはずだよね?」


峰山先生の言葉に私はぐっと、言葉に詰まった。


確かに私が逆の立場なら、この大事な時にうつされたりしたらたまったものじゃない。と思ってしまうかもしれない。


受験を控えた私達には、寝込んでいる間も惜しいのだ。


私は、大きな溜息をつく。


「…分かりました。今日は1日ここで過ごします」