先生。あなたはバカですか?

ルールや常識で縛られた一本道を逸れて、二人で進んで行く事に決めた2人。


花織ちゃんにとって、峰山先生が手に入れたい“花”だっただけ。


峰山先生にとって花織ちゃんが、あらゆる物を犠牲にしても側にあって欲しい“花”だっただけ。



昨夜の花織ちゃんの姿を思い出す。


幸せそうに峰山先生の話をする花織ちゃんの姿だ。


さっきもそう。


峰山先生と抱き合う花織ちゃんは、とても幸せそうだった。


決して不真面目なんて言葉で片付けられるようなものではないように見えたんだ。



目の前のこの人もそう。


こんなにも私と真剣に向き合ってくれている。


なぜだか分からないけど、側にいてくれる…–––


「真面目か不真面目かなんて、誰かが決めていいものじゃないのかもしれませんね…」



「お。それが分かれば上出来だな。

お前が思ってる真面目ってのは、あくまでお前の物差しって事だ。なぁ?お前、本当の真面目の意味知ってるか?」


本当の真面目の意味?


私は首を傾げる。


「1、嘘やいい加減な所がなく、真剣であること。本気であること。また、そのさま。

2、真心のあること。誠実であること。そのさま。」