先生。あなたはバカですか?

「それじゃまるで、私が楽しているみたいじゃないですか…」


「そうとは言ってねぇ。真面目に生きる事はいい事だ!むしろ、俺からすりゃお前なんて尊敬の意に値する!」


「……。」


まぁ…あなた不真面目の代名詞みたいな人間だものね…。


まぁ、それはいいとして、


じゃあ一体何が言いたいんだ。


「だけど、羨ましくはねぇな。可哀想だとも思う」


「…何で…ですか?」


「一本道を信じるあまり、道の両脇に花が咲いてる事に気付かねぇからだ」


先生のいつになく真剣な眼差しが私を貫く。



……花……。


「俺はさ、みんなスタートラインは一緒だと思うんだ。みんなで一斉に一本道を歩き出す。だけど、歩いていくにつれ各々が気付く。道の脇に色んな花が咲いてるって事にな」


先生は、テーブルの上にあった小さなメモ帳にボールペンでなぐり書きを始める。


真ん中にあるのは、幅の広い大きな一本道。


そこを歩き出す棒人間が5人。


道の両脇には、なんともいびつな花…らしきもの。


「絵、下手くそなんですね。」


「うるせー」