先生。あなたはバカですか?

「別にそんなに心配しなくても、誰かに言ったりしないから」


「え?」


「その代わり、もう私にも関わらないで。この受験の大事な時に変なイザコザに巻き込まれたくないの」


「翠ちゃ…」


「じゃあ、ごゆっくり。」


「翠ちゃん!」


踵を返し、走り出す私。


砂浜に足を取られ、何度も何度も転びそうになる。




抱き合っている2人を見た時、


花織ちゃんも、峰山先生も、


まるで自分とは違う世界に生きているみたいだった。



あの不良教師もそう。


世の中のルールにも常識にも囚われる事がなくて、


「それが何だ」と笑って。


きっと私みたいに、ルールや常識に囚われながらでしか生きていけない頭の固い人間を、


陰で嘲笑って見下しているんだ。



花織ちゃんは、きっとそんな人ではないと思っていた。


だけど、昨日の夜の女子トークの最中、何も知らない私に峰山先生の話をしながら、一体何を思っていたの?


花織ちゃんも心の中では私を笑っていたのでしょう?





だから、嫌だったんだ。


だから、違う世界なんて見たくなかった。


今まで真面目に生きてきた私が、バカみたいに思えてしまうから。