「す、翠ちゃん!?」
抱き合っていた2人は勢いよく離れ、
驚いた様子でこちらに駆け寄ってくる。
し、しまったぁぁぁ!!!
自分の虫嫌いの性格をこんなにも呪った事はないだろう。
「大丈夫か?生田」
「翠ちゃん立てる?」
砂浜に尻もちをついている私の様子を心配そうに伺う2人。
––––––違うか。
心配なのは私の事じゃないわよね。
私が今の一部始終を見たか、見ていないか。
あなた達が心配なのは、そっちでしょ?
そう思うと、何だか胃の辺りが気持ち悪くなってきて、嫌な気持ちが込み上げてくる。
なぜみんなルールを守らないの?
なぜみんな好き勝手生きているの?
ただ真面目に生きてきた私が…まるでバカみたいじゃないか。
私は、砂浜の砂をぎゅっと握りしめた。
「翠ちゃん。どっか怪我して…」
–––––––パシッ!
私に伸びて来る花織ちゃんの手を払う。
その瞬間、2人の顔色が変わる。
私は2人のそんな顔を見て見ぬフリをして、スクッと立ち上がった。



