大浴場のお湯は、なんと温泉らしく、この講習会に参加する生徒の中には、軽いリゾート気分を味わいたいが為に参加する者もいるのだそう。
まぁ参加してみれば、勉強ばかりでリゾート気分など味わっている暇は到底ないのだけど…。
階段を下りれば直ぐにロビーで、その正面には大きなガラス張りのドア。
そこが玄関になっている。
その前を通ろうとすると、ふわっと生暖かい外気の香りがして思わず足を止めた。
ガラスの扉が片側だけ大きく開け放たれている。
開いてるけど、いいのかしら?
私は、一度誰もいない事を確認してから、靴箱から自分のサンダルを取り出し、
吸い込まれるようにして、そこから外に出てみる。
「真っ暗…」
それはそうか。
だって外には、敷地内に小さなランプがいくつかあるだけで、他に頼れるものと言えば月明かりくらい。
だけど…
歩けないほどではない。
息抜きに、少しだけならいいわよね。
私は誰かに見つからないよう、早足で砂浜に向かった。



