…だから…いちいち顔が近いのよ…。
これじゃあ、無視を決め込むのも難しいじゃない。
「何かご用でしょうか?」
私が素っ気なくそう尋ねると、
「おはよう」
とニッコリ笑ってみせる先生。
あまりにわざとらしい笑顔に、ゾワッと鳥肌が立つ。
思わず怪訝な顔を向けると、
「だから、まずは“おはよう”…だろ?」
そう言って彼は、わざとらしくまたニッコリと笑ってみせた。
何を言ってるんだと睨みつければ、
「スイちゃんは、真面目なくせに先生にご挨拶も出来ないのカナー?」
と、腹立たしい顔で小首を傾げながらそう言ってくる。
この男…。
これは……
完全に私の事をバカにしているわね……。
「……オハヨウゴザイマス。」
「明らさまにいやいやだなお前。
まぁいっか。ちょっと待ってろ」
先生は、何やら自分の鞄を漁り出す。
というか、この人どれだけ俺様なのかしら。
いちいち上から目線でものを言う。
コレが仮にも告白した人に対する態度なの?
やっぱりどう考えても昨日の出来事は、からかわれているだけとしか思えない。



