先生。あなたはバカですか?




掛け時計が規則正しい音を刻む。


聞こえるのはその音と、窓の外でどこか遠慮がちに鳴いている夏の虫の声。




どれくらい時間がたったのだろう?


ただひたすら数学の問題を解いて、ただそれだけを考えていた私の脳裏にようやくそんな言葉が浮かぶ。


それと同時にシャーペンの芯がパチンという音を立てて折れて、意識はやっと完全に元の場所へと戻ってきた。


我ながらなかなかの集中力で、さっき最後に時計を見た時からざっと2時間くらいが経過しようとしていた。



そういえば、香織ちゃんはまだ部屋に戻って来てはいない。



随分長いお風呂だな…。



そんな事を思う。



さすがに私もそろそろお風呂に行かないと…。


明日に差し支えるな。



手早く入浴の準備をして、部屋を出た。







大浴場は、一階のロビーを過ぎた所にある。


そこを抜ければすぐに大浴場だ。