先生。あなたはバカですか?

額に心地良い温度を感じて、俯いていた顔を上げる。


「暑い?」


少し遠慮がちに触れる川島君の手は、岩田先生の手とは違ってホッとする。


ほら。


やっぱり私は正常じゃない。



側にいるだけで息の仕方が分からなくなったり、

触れられただけで胸がギュッと押し潰されそうになったり、


そんなのあの人の前でだけだ。



きっとあの人とはすこぶる相性が悪いのね。


きっとそう。



川島君は波長が合うというか、少し花織ちゃんといる時の感覚に似ている。




「ふふっ。川島君て不思議だよね」



私がそう言って笑うと、一瞬川島君の目が見開かれた気がした。


そして、額に当てられていた手が頬に落ちてきて、川島君が何か言おうとした。


だけど––––



「ストップ。」



視界が急に真っ暗になったかと思うと、体が何かに引き寄せられて、


あの優しい香りが、私の鼻腔をくすぐる。


「触んないでくれる?」



いつもより更にトーンの低いその声に、


ほら。


また、心臓が騒ぎ出す。