先生。あなたはバカですか?



綺麗…。


だなんて、不覚にもそんな事を思ってしまって、そんな自分に戸惑う。



なによ。


今まで散々、人が頑張っているのを馬鹿にしていたくせに…。


何で今そんな風に言うのよ。


何で…そんなに優しい顔をするのよ?



「まぁ、苦手っつってもな。そこらの生徒よりよっぽど出来てるわけだし。
少なくとも、もう少し自信持っていいんじゃねーの?」


私の頭に伸ばされる手。


その手が、ポンポンと優しいリズムで私に触れる。


まるで何かのご褒美みたいだ。



だからか、


つい胸の奥に閉まっていた本音が溢れてくる。



「こんな所で立ち止まっている場合じゃないんですっ…。もっと、出来るようにならなきゃっ。じゃないと…」


「じゃないと?」


お母さんの悲しい顔が浮かぶ。


もうあんな顔は見たくない…。



私の歪んだ表情を見て、


先生が、ふーと深い溜息をつく。


そして…––––



ギュムッ




「ふがっ!?」


私の鼻を思い切りつまんだ。



「…なっ!」


「バッカじゃねぇ?」