今までもない程声が低い。
だいぶキレてた。


「ふーん、まあこいつには関わらない方がいいよ?」

「は?」

お前から出る葵ちゃんの過去は聞きたくない。

「こいつ誰にでも股開くくそ女だよ。金さえもらえればどんな奴にでも抱かれる女だよ。」

「だからなに?」

「え?」

「葵ちゃんの過去は過去でしょ、むしろ暴露するお前の方がやばいんじゃないの?」

「おじさん話聞いてた?」

この女悔しい顔で俺を睨む。
痛くもない。

「うん、聞いた。でも葵ちゃんから聞いてないだけ。俺は過去とは認めない。」

「はあ??あんたこのくそみたいな女に惚れてるわけ?」

「そうだよ?」

「きっしょ、まあきもい同士いいんじゃないの?」

「じゃあお前今すぐ葵ちゃんのそばから消えてもう現れんなよガキ」

本当は殴りたかった。
しなかったのは社会人として、そんなの建前
これ以上葵ちゃんを怖がらせたくなかった。

もう十分葵ちゃんを困らせないでくれ。