昴の手に力がこもる。


「なんで…なんで俺じゃダメなんだよ」


ごめん、ごめんね…昴。


「昴とは、幼馴染でいたかった」


わたしにとって昴は幼馴染でなければならない。


昴にとって、わたしが気持ちの通じあった恋人であって欲しいように。


昴を怒らせると、悲しませるとわかっていても、伝えたかった。


昴の端正な顔は人形のように無表情で、恐ろしくも、美しかった。